ナースメッセージ
それぞれのおもてなし 2011年
01月
19日
そろそろお正月ぼけも解消し、気分新に今年も頑張るぞ・・。というところですが、先日GGC「時間外スタッフミーティング」にて師長から「みんな、今年も一年“おもてなし”に励んで下さいね。でもその前にそれぞれの“おもてなし”についてどんな感じか共有できたら嬉しいね、そこで早速、小説風おもてなしイメージを作成して各自全員分保管しようよ。」と提案が出されました。私も大賛成でそれぞれ感動のストーリー?を考えました。それが各自の似顔絵と一緒に下に提示していきます。是非是非、努力の結晶をお読み下さいね。 では、トップバッター、師長! ●手作りのぬくもり 年末の帰省ラッシュで満員の新幹線で東京へと向かった。 駅に着き、たくさんの人が行きかう街を通ってやっとたどり着いた今日のホテル。さっきまでの賑やかな雰囲気から一転、間接照明の落ち着いた空気のフロント。 そのままチェックインし、部屋へと向かった。 初めての一人での宿泊。 心細さと不安と、少しの緊張とが入り交ざった何とも言えない気持ちで部屋に入った。 ベッドにユニットバスしかない白を基調とした狭いシングルの部屋。マニュアル通りに綺麗に整頓されたドレッサー、アメニティーにしわ一つないベッドメイキング。 荷物を置き、ふとベッドの上を見ると、ゆかたの上にひとつの折り鶴が置いてあった。 一瞬にして、不安や緊張から解き放たれホッとした気持ちと温かさを感じた。 これもマニュアルの一つであろう折り鶴。 しかし、それには人のぬくもりがあった。こんな小さな物で、こんなにも心が安らぐんだ。 今日からのホテル生活。楽しく過ごせそうだ。 次は先輩の河邊さん! ●とあるできごと… 人間関係が希薄になっているといわれているこの時代、自分は自分、他人のことは無関心という人が増えています。 ひさしぶりの長期休み、東京にいる友達のところに遊びに行った時のことです。 まだ肌寒いこの季節、少し迷いながらも今年買ったコートを着て、新幹線に飛び乗りました。 いつもギリギリになってしまう、私の悪いくせ。席を確保するとすぐに発車のベルがなった。2泊分の大きな荷物をあわてて座席の上の荷物置きに置きました。ほっとして席に着き、移動中に聞こうと思い持ってきた音楽プレイヤーを探しました。「しまった。」私は小さな声でつぶやいた。朝、あわてて出てきた私は、今まさに棚の上に置いた荷物の中に入れてしまっていたのです。しかたなく立ち上がった、その時でした。私の化粧ポーチがかばんから落ち、中身をばらまいてしまいました。通勤時間帯だった車内、眠たそうな顔をしたサラリーマンが少し目をあけて私の方をにらみました。なんとか拾い集めましたが、今年買ったばかりの口紅だけが見当たらないのです。まだほとんど使っていないのに、もう、最悪だ。 休んでいる人もいる中、申し訳なく思いながらも探していると、隣の席の方も一緒に探すのを手伝ってくれていました。でも、見つかりません。 ふと気づくと、隣の方だけでなく前後の席の方数人、狭いシートの間を探してくれていました。 でも、なかなか見つかりません。 「どこかに転がっていってしまったのかもしれない。もう見つからないかも…」 と、諦めかけたその時でした。 「あった!!」と声が上がりました。 驚いて顔を上げると、3列後ろの座席の方が手を上げていました。座席の下に入り込んでいたのを見つけてくれたのです。 3列も後ろの座席にいる方までも一緒に探してくれたことに、驚いたと共に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。 「本当にありがとうございます。」と頭を下げると、 「気にしなくていいですよ。」 「見つかってよかったね。」と笑顔で答えてくれました。 そんな、温かい人々に触れ、落とした物だけでなく、他の何か特別な物も一緒に貰ったような気がしました。 忙しい毎日、自分の事で精一杯で、面倒なことには巻き込まれたくない…それが本音かもしれません。 でも、その時、少しだけでも動いてみる、声をかけてみることが、相手にとっては大きな助けになることがあります。 小さな親切にあふれた世の中になるといいなと感じました。 次は仲良しの古津さん! ●いたれりつくせり おもてなしといっても色々とある。 私はその中でも「接客」でのおもてなしに注目してみた。 この間、少しお洒落なお店に行った時のお話です。 まずお店の雰囲気・言葉遣いが他とは違うことが入口に入った瞬間感じることができた。 丁寧かつスマートであり、笑顔も忘れていないところなど本当に良い印象だった。 席に着くまでのエスコートの仕方や椅子に座る時にひいてくれるといったお客様への完璧な案内! 私達は少し場違いだなと感じながらも席についてから『すごいねー!!』と小声で話していた。 メニューからそれぞれ好きなものを注文し、しばし談笑。 すると少し待っていただけでアツアツの料理が運ばれてきた。 その早さに私達のお腹も喜び『グーグー』と叫んでいる。 『いただきまーす!』と私達は凄い勢いで食べ始めた(笑)。 食事中、お水が半分くらいになるとタイミングぴったりに注ぎ足してくれたりと本当に至れり尽くせりでした。 食事も終わりお会計する時も、全てに隙がなく完璧で大満足。 私達も終始笑顔でいることができたし、何よりもスタッフさんの気遣いがとても感動的だった。 また絶対に行くだろうな。 この体験から、私もお客様にそんな感動を与えられるように見習おうと思った。 そして笑顔で気持ちよく帰っていただけるよう、心からのおもてなしを頑張る。 次は新入り大内さん! ●私のお手本 「おもてなしとして、病院にお見えになったお客様にはお茶を、作業をして下さっている大工さんなどには10時と3時にお茶を出してね」 この言葉を聞いた時私は一人の人物の姿が頭に浮かんだ。それは祖母の姿だった。 祖母の家はそれなりの庭があり、家もそれなりに広かった。そこに年寄りの一人暮らしだったので大工さん、庭屋さん、電気屋さんが時々出入りしていた。家が近く祖母のところに遊びに行くことの多かった私もこの方たちと会うことがよくあり可愛がってもらった。その時にお手伝いとして頼まれていたのがその方たちに10時と3時にお茶やコーヒーを渡すことだった。渡すと「偉いね」「ありがとう」と言ってもらえるのがうれしくて、得意になってそのお手伝いをしていたような記憶がある。 お茶出しだけではなかった。二重のお見送りも言葉さえは知らなかったものの、祖母の行っていたことそのままだった。祖母は、お客様はもちろん私たちが帰る時でさえも玄関を出て前の通りまで行き私たちの車が見えなくなるまで手を振ってくれていた。また例えば宅配便屋さんなどを対応し帰られる際お帰りになってすぐに玄関の鍵を閉めようとした私に「いま閉めたらあの人に音が聞こえちゃうでしょ?出てすぐにガチャッと鍵を閉められたら嫌じゃない?」と教えてくれた。 今思うと祖母は「おもてなし」を当たり前に出来る人であり私は病院で学ぶよりも前に言葉さえは知らないも「おもてなし」を感じ見る機会があった。まさに「おもてなし」とは祖母の行動そのままだった。だから私は「おもてなし」について学ぶたびに祖母の姿が浮かんでくる。これからも祖母の姿を思い浮かべ「おもてなし」を行っていきたい。 次は病院の顔、成瀬さん! ●あなたもハッピー わたしもハッピー アルバイトをしている息子とは、同じ時間に一緒に食卓を囲むことは少なくなっています。夕食の時には、それぞれにその日にあったことなどを話してくれて楽しい一時を過ごしています。 子供の成長と共に母親の楽しみが減ってきてしまっているのも寂しいものです。 そんな中でも先日、久しぶりに揃って食事をすることができ、息子がこんな話をしてくれました。 「僕、今日久しぶりにバスで帰ってきたんだよ。今日の運転手さんちょっと運転が荒くてなんか嫌だなぁって思っていたんだ。あるバス停でベンチにお婆さんが座って、鞄から物をいっぱい出してちらかしているのが見えた。そのお婆さんもバスが来たのに気付いて、慌てて鞄の中にしまっているのが僕には分かった。でも運転手さんは気付かなかったのか、バス停で停車したのにドアを閉めて発車しようとした。僕は、お婆さんが乗るみたいなのに何で?って思った。でもそういう時って、なかなか言えないものでしょ。僕に勇気があれば... すると、40〜50代のサラリーマン風の人が「運転手さん待ってください。お婆さんが乗りたいみたいですよ。」と、大きな声で言ってくれた。お婆さんが「ありがとう。」と言って乗ってきた。運転手さんも、マイクを通して「教えてくれてありがとうございます。」と、言った。僕は自分に言われたわけではないけど、「ありがとう」の言葉を聞いて幸せな気分になったよ。」と、話をしてくれました。 私は「ありがとう」の言葉は、大事な言葉だと思います。 今回息子が聞いた「ありがとう」の一言は、周りにいる人達も幸せな気持ちになったということを私も感じました。 今年のお寺の年頭会での住職さんのお話で 「あなたの一言が人を傷つける あなたの一言が人を幸せにする」 というお話をしてくださいました。 自分の言葉には責任を持たなければいけないし、そういう事を意識していくことで安定してくるのではないかという。 おもてなしの原点は「あなたもハッピー、わたしもハッピー」だと思う。 それにはコミュニケーションなしでは成り立たない事であり、自分がどう「伝えた」ではなく、相手にどのように「伝わっているか」ではないか。 相手の立場に立って何を求めているかを常に考えた行動をとる事が大切なのであろう。 最後は何時も寒い中、暑い中ありがとうの近池さん! ●おもてなしの心得 私が橋本動物病院さんでお仕事をさせて頂いて2年目になる頃です。お客様からのアドバイスを頂いた。 「外に水道はないの??」 と。私も前からあった方が良いと思っていたので先生に話すと水道を作ってくれたのですが、家の事もあり使用禁止になりました。 何か良い方法でお客様をおもてなしができないかと先生がお考えになったのがおしぼりでした。 二年目になるかならないかの頃におしぼり配りが始まった。最初はうまくいかなくて悩みでした。一人のお客様が来院された時、たまたまおしぼりの話になった。 「おしぼりをお客様にうまく渡すことができないんです…」 と話すと 「そっかぁー。おもてなしというのは相手の事を心から思い笑顔で声をかける事が大切なんだと思うよ!!相手がおしぼりを使わなかったとしてもちゃんと気持ちは伝わっていると思うけどなぁー。」 とお言葉を頂いた。その日からおもてなしは「心からお客様の心へ伝える事なんだ。」「相手を選んで声をかけたらダメなんだ。」「使わないと思っても声をかけていくことが大切なんだ」と思い、言葉も考えたりアドバイスも頂いた。 今の自分があるのはアドバイスをくれた皆さんのおかげですね。 あっと忘れてた、最後の最後に自分、新村です! ●おもてなしの探求 “おもてなし” 簡単なその一言。 簡単に思えて、奥が深く、難しい。答えが一つだけではないだけに、考えれば考えるほど悩みの深みにはまってしまう。 どれだけ成長してきたか、はっきり自覚はないものの、「おもてなし」を意識するあまり、“あるクセ”が身についたなぁとふと気付いた。 それは、『他業種の「おもてなし」をチェックすること』だった。 今までは、特に気にしていなかったものも、いまでは気になるようになってきた。 コンビニ店員の適当な受け答え、どの客の声より大きい店員の無駄話・・・ このような例は、極端に理想とかけ離れすぎているが、自分では「こうしたらいいのに・・・」と思うものが増えてきた。 そして、悪い所だけでなく、良い点も見つけるようになった。 毎回、違う美容室に行く、私にとって、美容室も心の中でひっそりと「採点」してしまう。 年齢層・服のジャンルに合わせた雑誌を選んでもってきてくれるか。清潔なタオル・ケープなどを使っているか、こまめに掃除をして、前の人の髪の毛が落ちていないか・・・など。 良い所としては、頭にふれる薬液や道具などすべてを温かい温度にし、使用してくれるというところだ。 客側にしかわからない細かい部分なだけに、「思いやりの心」を感じることができた。 当たり前のサービスのようで、これができていない店は意外に存在する。 また、客の好みに合わせたトーク、雑誌を替えるタイミングなどは個々のスタッフの素質によるものもあると思う。 身近な存在の美容室もアンテナを張ってみてみるだけで、「おもてなしの存在」に気づくことができる。 このような「職業病」ともいえるような“クセ”と付き合いながら「おもてなし」の力を磨いていき、お客様を感動させられるようなスタッフに成長していきたいと心に誓った。 |